2017年7月8日土曜日

大学で学ぶこと【政治学】~秋元(洋)~

みなさんこんにちは!アシスタントアドバイザーの秋元(洋)です!


僕は大学では政治経済学部で政治学を専攻していています。
政治学科ですと言うと稀に政治家になるの?といわれることがありますが、政治家になる為に入学する人はまずいません笑
特徴としては公務員を目指す人が他学部よりは多いですかね。
もちろん僕のように一般企業に就職する人も大勢います。


政治学というのは非常に学際的な学問で、もともとは経済学と法学の一分野という位置づけでした。
その影響もあり日本の大学の学部でも政治学部単体と言うところはなく(あったらすみません、、、)政治経済学部や法学部政治学科といったところで政治学を学ぶことになります。


前述の通り非常に学際的な学問なので、一口に政治学といっても扱う内容は多岐に渡ります。地方政治から国内政治、各国の政治や国際政治、国際関係論など幅広いです。さらには計量政治学や比較政治学、政治思想や政治哲学,政治体制論など小難しい分野は腐るほどあります笑


幅広いという意味では、まだ大学でやりたいことが決まっていないという人に比較的おすすめできる学部ではあります。
政治学科であれば経済学系のゼミや法学系のゼミはもちろん、ロマン主義などの文学的潮流やヘーゲル的な哲学の時代精神からその時代の政治を読み解くなど、人文学系のゼミもたくさんあります。


その中でも僕は国際政治学を勉強しているのですが、個人的にはこの分野は非常に面白くて物事の見方や考え方に対する姿勢を学べるのでおすすめです。

例えば、国際政治の基本的な考え方の一つで【安全保障のジレンマ】という考え方があります。
元々ゲーム理論という学問分野があり、そこで使われている【囚人のジレンマ】というモデルを応用した考え方です。
囚人のジレンマの内容としては、例えばある事件の容疑者が二人(友人同士)いて、警察は二人が犯人であるとほぼ確信しています。
しかし、決定的な証拠はないので容疑者二人にそれぞれ相談ができないように別々に取引を持ちかけます。
取引の内容は、もう一人の容疑者が犯行を行ったと密告すれば自分は釈放、相手は10年の懲役。お互い相手のことを告発すると8年づつの懲役。お互い黙秘を貫くと1年間の拘留という内容です。

 告発しない告発する
告発しない(1年, 1年)(10年, 釈放)
告発する(釈放, 10年)(8年, 8年)

このジレンマで自分にとって最大の利益になるのは自分が喋って相手が黙っている事です。しかし、お互い喋ってしまうとどちらも8年の懲役となってしまうので、それであればお互い黙秘して1年間の拘留になるほうがずっとよい筈です。


このジレンマの考え方が、国際政治における安全保障の古典的な考え方に利用されています。
つまり、友好的とはいえないある2カ国があり、お互い相手が裏切る(密告する)のではないかという不安(この不安が大事)からドンドン軍備拡張路線へと推し進んでしまうということです。
軍拡を行うとお金もかかりますし、軍拡で2カ国間の緊張が高まれば企業活動や旅行客、人的交流にも制限がかかるのでいいことは少ないです。よって、どちらの国も最低限の軍備のみを整えて他のことにお金を使うのが最良なのに、仮に相手が軍拡した時に自国の軍が脆弱だと征服されてしまうという相手国に対する勝手な恐怖心をお互いに抱き、結局軍拡してしまうのです。


このジレンマは国際政治学では【安全保障のジレンマ】と呼ばれ、リアリズムリベラリズムという国際政治学における最も基本的な思考の型を考える際によく使われます。
リアリズムやリベラリズムの説明は長くなるので割愛しますが、国際政治学においてはこの二つの概念を理解すること(+コンストラクティビズム)が最も重要なものとなります。


長くなってしまいましたが、政治学はホントに幅広くて社会科学・人文科学に関することなら一通りはカバーすることのできる学問なので、大学の学部が決まらない、、、という人はぜひ政治学科の門を叩きましょう!!笑